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2008年9月 8日 (月)

日本原子力学会で

高知工科大学で開催された日本原子力学会は、9月6日(土)で閉幕しました。
原子力推進側の牙城であるこの学会は、春・秋と年2回も開催、国や企業からお金が出なければ成立しえないのです。
再処理工場の本格稼働に向け、また、ナトリウム洩れ事故で膨大な維持費ばかりかかって休眠状態だった高速増殖炉もんじゅの再開に向け、今回の学会は勢いづいていたようです。

Nami■デモンストレーション&対話

最終日、仲間とともに「高知の自然を核のトイレにしないで!!」と墨書して山々と鯨の泳ぐ海の絵も描いた横断幕を「放射性廃棄物処分と環境」分科会会場前で掲げたのですが、大学関係者に訳の分からない理由で追い出され、カフェテリア前に移動して静かに意思表示を続けました。東洋町で見かけた、推進側の学者やニューモの人を見かけました。
どちらの場所でも横断幕は、ちらっと文字を追う程度で学会関係者からはほとんど黙殺されていましたが、核物理学専攻の大学院生3人が、論戦を挑んできて、
「事故は確率の問題で計算式によると・・」
「二酸化炭素を出さない原子力発電が今世界で見直されている・・」
などと言うので、
「炭酸ガスは悪者ではなく、地球温暖化の根本原因は現代人のエネルギーの大量消費ではないか」「原子力発電によるエネルギーの大量生産こそ見直す必要があるのではないか」と言うと、
3人のうち1人が「僕もそう思う」と言って、私たちの立っている側に立ち位置を変えたことが愉快でした。
ほかの2人も「核融合炉が希望だな・・」「ところで土佐料理の旨い店どこですか?」などと言って、23歳の若者たちらしい、さっぱりした様子に好感がもてました。
彼らの頭脳の柔軟性が、日本のエネルギー政策の転換をうながす原動力になることを、願ってやみません。


■研究発表

「放射性廃棄物処分と環境」分科会の一般公開の発表3題を聴きました。
1題目の地下水の挙動、2題目の活断層は専門的詳細すぎ、結論が手前味噌だと感じましたが、
3題目の建設会社の人による地層処分の実際的問題は、日本列島の地下水脈の豊かさゆえに、トンネル工事においてさえ昔から「水との戦い」であったのに、地層処分(縦置きの場合)では東京から京都までの距離のトンネルを掘る計算になること、丹那トンネル建設工事のさなかに地震に見舞われ2m44cmのズレが生じたことなど、興味深い内容が紹介されました。
莫大な金額と時間を要するうえリスクも大きい地層処分を、研究者たちも本当は望んではいないのではないか・・そんな気さえしました。


《写真は大岐の浜/岡田充弘さん撮影》

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