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2008年8月17日 (日)

そもそも人類は人工放射能とは共存できない

きのう午後、原子力資料情報室共同代表/伴英幸さんの講演を聴きました。
以下は、私の聞き書きノートからの抜粋です。

Koutijoukouen5■原発は地球を救わない

□1 原発は温暖化防止に役立たない

CO2排出量は、火力・原子力・水力など1次エネルギー総供給量とあいまって増加している。温暖化防止には、この1次エネルギー総供給量をいかに減らすかが、鍵となる。

原発は、電力需要を超えて建てられないし、出力調整はできない(危険な出力調整に対する激しい反対運動の経緯もあって、しない)。原子力のバックアップとして火力が、50%前後の出力ながら発電電力量を伸ばしている。これでは、温暖化対策にはならない。

□2 原発は厄介な放射性廃棄物を大量に生産する

放射能の毒性は寿命が長く、10億年後も許容限度の1000万倍の毒性をもつ放射能さえある。4つのプレートが日々動いている日本列島には、安全に処分できる場所はない。これ以上、放射性廃棄物をつくらないことが大前提だ。

電気を使う国民に廃棄物を処分する責任がある、などと言うが、有無を言わさず原子力を進めてきた人たちの責任がまず問われるべきだ。

□3 放射能は微量でも影響がある

そもそも人類は、人工放射能とは共存できない

一般人の年間被曝限度は1mSv(ミリシーベルト)、放射線関係の職業人は50mSvとされるが、これは安全基準ではなく、電気を使う以上、メリットに対して我慢すべき値という意味である。(0.25Svで急性障害、1.5Svで一部死亡、3Svで半数死亡、6Sv以上で全員死亡)

事故で被曝したとき、自然の放射線に比べて微量だから人体に影響はない、などと言うが、自然放射線に上乗せして被曝しているわけで、人工放射能は寿命が長いから晩発性の影響がでてくると考える必要がある。

体内に放射能が入ると、選択的に組織に(ヨウ素は甲状腺に、プルトニウムは肺や生殖器に、ウランは腎臓に、コバルトは肝臓に、ストロンチウムは骨に・・・)沈着し、濃度が高いほど体内にたまっていく。ただし、発がんについては、化学物質などほかの要因との区別が困難である。

□4 原発は地震に耐えられない

2005年に女川原発、2007年に志賀原発と柏崎刈羽原発が、現実には起こり得ないとされてきた地震の揺れに襲われた。原発は、想定以上の揺れにより、外部からは分からない、塑性変形・弾性変形などのひずみが残されていると考える必要がある。原発の再開は危険である。

東電は柏崎刈羽原発の耐震補強をM7を想定しておこなうが、新潟県技術検討委員会はM7.5(50kmの断層)を想定している。

伊方原発は、中央構造線による激しい揺れを想定すべきである。

□5 プルサーマルの危険性

プルサーマルが95%の再利用というのは、真っ赤なウソである。高速増殖炉の運用の見通しがつかず、つなぎとしてプルサーマルをもちだした。プルトニウムをとりだし使用済燃料を減らすとして再処理をすれば、かえって放射性廃棄物は6.7倍になる。プルサーマルは不要である。

プルサーマルは、もろもろの理由から安全余裕を減らすので、大事故の危険が増す

□6 チェルノブイリ原発で何が起きたか

半径30kmの範囲が永久非居住地域となり、埋められたり朽ち果てたりして500の村が消えた。事故の影響による放射能は北半球一帯で検出された。同程度の事故が伊方原発で起きれば、兵庫県あたりまで大きな被害が及ぶだろう。

□まとめ

・原発は地球温暖化を止められない。
・原発は放射性廃棄物を増やすだけ。
・地震の危険、プルサーマルによる安全余裕の減少など、危険すぎる。
・チェルノブイリのような事故を起こすと、破滅的な被害となる。
・そうなる前に、原発を止めよう。


《写真は高知城公園/げき撮影》


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コメント

 とても良い内容の講演会でした。わかりやすかったし。会場で「原発は地震に耐えられるか」の書籍も購入しました。

 ただ残念なのは参加者の多くは労組の人たちで、労組以外に広報した形跡がないことです。これではもったいないと思いました。

投稿: けんちゃん | 2008年8月18日 (月) 06時52分

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