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2008年6月 6日 (金)

四川大地震と核

たんぽぽ舎から、副代表の書かれた「四川大地震と核 中国と日本いずれも耐震安全性は『失格』」という記事が届きましたので、やや長文ですが、ご紹介しましょう。
■たんぽぽ舎
http://www.tanpoposya.net/

四川大地震に、原発震災の危険性への示唆を学びたいものです。

0724ashizuri【以下転載】
■四川大地震と核 中国と日本いずれも耐震安全性は「失格」

 5月12日午後2時28分(日本時間3時28分)、四川省でマグニチュード8の巨大地震が発生した。
 被災者は一千万人を超え、100万都市がいくつも被害を受けた。震災及び震災関連死は10万人規模にもなる恐れがある。中国市民には心からのお見舞いと可能な限りの支援をしていきたいと思う。しかし中国政府には大きな問題がある。
 1976年7月28日に発生した唐山地震(マグニチュード7.8)で24万人以上が犠牲になった経験と教訓は、今回の地震では生かされなかった
 既に中国市民の間で「嘆願書運動」が広まっているが、それは特に学校の倒壊が子どもたちを中心にたいへんな被害を出し、これが人災であることへの怒りからだ。そしてこれは中国建設事情の悲惨さをも象徴している。崩壊した建物の残骸にほとんど鉄筋らしきものが見えない。レンガ造りの構造物で建てるなど、最も安全であるべき学校が、最もひどい被害を出しているところが随所にある。特に重慶の学校倒壊はにわかには信じがたい。重慶は震源から150キロも離れており、震度は3程度だったと言われている。しかし大地震特有の長周期揺れが何分も続いたため、強度がないうえ、背の高い学校が共振を起こして倒壊したと思われる。
 しかし日本もまた同じ問題をかかえている
 2007年4月1日現在の文部科学省のデータでは、「耐震性無し」及び「未診断」あわせて41%余り、53,636棟もあるのだ。
 理由は「予算不足」が大きいと言うが、ミサイル防衛システムに1兆円以上も支出する「余裕」がある国が、学校の耐震補強工事さえまともに出来ないはずがない。子どもたちの命よりも軍需産業に湯水のごとく税金を投入することに余念がないこの国の実体なのだ。そして中国も同様だ。経済発展のおかげで莫大な税収があるはずだが、核兵器を保有し通常戦力を拡大することには湯水のごとく税金を投入しながら、学校耐震化には何ら関心さえ持たなかったのである。

□中国核施設はどうなったのか

 四川省には核弾頭プルトニウム製造用原子炉があり、戦略核も保管しているとされている
 それらの施設がどうなったのかは、明らかにされていない。わずかに「重大な事態にはなっていない」「放射能漏れはない」という通り一遍の報道がされているだけだ。
 確かにミサイルサイトなどは堅牢に作られている。なにしろ核攻撃にも耐え、自らの発射エネルギーでも壊れないように作るであろうから。
 しかしプルトニウム生産原子炉やその燃料を再処理する施設は、どうなっているのかを確認することも出来ない。震源断層の真上にそのような施設があれば、どんなに頑丈であっても地盤崩壊で破壊される可能性がある。
 その一方で、民生用放射性物質の一部ががれきに埋まっているという報道はある。
 病院さえ倒壊しているのだから、医療用線源など多くの放射性物質が行方不明になっていても不思議ではない。それらによる汚染や被曝事故は大きな懸念材料である。
 米国は軍事衛星を使って、放射性物質の兆候などを調べているようだが、さすがに大規模汚染にでもならないと衛星で捉まえることは難しい。
 そのこともあって、外国の救援を受け入れなかった可能性もある。
 およそ核武装などは、自国の安全を確保するどころか、自らの市民や周辺国を危険にさらすだけだということを改めて強調しておきたい。

□内陸直下でも巨大地震の恐怖

 日本周辺海域には、マグニチュード8を超える大地震を引き起こすプレート境界が取り巻いている。一方、内陸地域では、マグニチュード8を超える大地震は、濃尾地震(1891年10月26日)の他には起きたことはないとされている。(古い地震のマグニチュードが正確に分かるはずはないので、記録がある限りはと言う限定付だが)
 これは、断層型の地震では地震動を作り出す岩盤の破壊(つまりは地震断層のずれによるエネルギーの放出)が、マグニチュード8以上の巨大地震を作り出すほど大きくはないだろうと思われているからである。
 地震断層は、大きなエネルギー(ひずみ)をため込んでいくうちに、それに耐えきれなくなって破壊が起きる。つまりひずみをため込むほどの強度があるかどうかにより、その大きさが決まると言い換えることが出来る。
 日本国内には、それほど強固な岩盤が存在しないと考えられているので、マグニチュード8を超える巨大地震はあまり起こらないとされている。
 しかし根尾谷断層系(単独ではなくいくつかの断層が連続的に動いた)は、マグニチュード8という巨大な地震を発振させた。これほどのエネルギーをため込むだけの強度があったのだから、根尾谷断層とその周辺地域の岩盤にはマグニチュード8をたたき出す強度があるということだろう。
 そう考えて周辺地域を見渡すと、とんでもないものが見えてくる。
 根尾谷断層系を北にたどれば、福井県嶺北地方に達する。この南側には柳ヶ瀬断層など多くの活断層がひしめく「若狭活断層集中地帯」がある。
 その若狭湾には15基もの原発がひしめく原発銀座でもあるのだ。

□原発が内陸直下の巨大地震に遭遇したら

 柏崎刈羽原発は、内陸直下の地震に遭遇したものの、その規模は中程度だった。
マグニチュード6.8とは、8との間に64倍もの開きがある。中越沖地震の64倍の地震が、今回の四川大地震だ。
 最近の衛星画像は、マグニチュード8の巨大地震が地盤にどういう影響を与えるか、その実体を見せてくれる。
 日本が打ち上げたJAXAの「だいち」が撮影したレーザー測量画像では、地上横ずれ1メートルが南北100キロ、東西70キロもの広さで観測され、最大で10メートル以上にもなるであろうと推定されている。これは、観測されたずれの大きさとしては史上最大級になる。
 柏崎刈羽では、この大きさは十数センチであったから、やはり大きな違いが見て取れる。
 さらに「だいち」は、村がいくつも土砂崩れに飲み込まれている事実も明らかにした。
 マグニチュード8とは、これほども容赦のない大災害をもたらす。根尾谷断層の見せる姿が、四川大地震でも再現されている。
 柳ヶ瀬、裏底断層など若狭湾の大きな断層帯が活動したら、その最大エネルギーはマグニチュード8にも達する可能性があると考えるべきだ。
 そうなれば、最悪の場合、原発直下で数メートルの地盤変異が生じるのである。
 どんな強固な耐震設計をしても、土台が崩れるのでは話にならないのだ。
【転載終わり/下線は転載者】


《写真は足摺岬/中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします。

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