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2008年4月 1日 (火)

本末転倒の現代資本主義

すべてカネ、カネ、カネ・・・
原子力産業の利権にむらがるのも、軍需産業の利権をむさぼるのも、日常の労働より投機マネーに狂奔するのも、この時代のカネ優先主義にマインドコントロールされているから。
でも、現代資本主義の限界について、つぎつぎと報道されています。

昨日の高知新聞には、佐伯啓思さんのコラム『本末転倒の現代資本主義』が掲載されていました。
■佐伯啓思さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/佐伯啓思

夕刻には、NHKクローズアップ現代『アメリカ金融危機』が放映されました。
■最新報告/アメリカ金融危機/クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/

■特集「カジノ資本主義」の終焉/世界3月号
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2008/03/directory.html

Hamanoprokumo【以下抜粋引用】
■本末転倒の現代資本主義

アメリカのサブプライムローン問題をきっかけとして世界的な景気の悪化が懸念されている。・・・ひとたび住宅価格が下落すれば、不良債権が続々と発生することとなる。

これは、バブル崩壊後の1990年代の日本で生じたことと基本的には同じであるし、95年ごろの住専問題とも同じ構造を持っている。しかし、それがどうしてアメリカだけの問題にとどまらないのか。それは、ローンを金融商品化してグローバルな市場で取引し、リスクを世界中に分散したからである。

・・・ではその資金はどこへ向かっているかといえば、金の市場であり、さらには原油や穀物などの先物市場である。・・

■実体から離れ

一体、何が起きていると考えればよいのだろうか。まず住宅バブルとその崩壊があり、またそれと連動して資源や穀物の商品先物市場で投機が生じた。これらはいずれも実体に基づいた生産や取引ではなく、経済の実体から離れたところで、資本が動くことで価値を生みだす。しかも、その影響が為替市場や株式市場の変動を通じて世界経済全体に即座に波及する。

要するに、過剰な資金が世界をかけめぐり、バブルや投機をおこすことで利益を生みだしているいるわけだ。それこそが今日の経済の実相にほかならない。

このような動向が一時的なものならよい。・・・リスクの高い融資をし、住宅バブルをつくりださなければ利益を上げることができない、というところまで今日の経済活動は追い込まれていることになる。世界経済を牽引したアメリカの好景気が、不動産バブルと無理な融資と株式市場や商品市場での投機によってかろうじてささえられているとすれば、これは今日の資本主義そのものの限界を示しているのではなかろうか

■その場しのぎ

確かなモノづくりによって、長期的に人びとの必要とするものを提供する、という経済活動に代わってグローバルな金融市場を通じた資金の急激な動きによって短期的な利益をあげるこのようなその場しのぎを続けることによって、経済を成長させるというのが現代の資本主義である。これは経済活動としては本末転倒だ

・・・経済活動で利益をあげるためには、たえずバブルを起こし、投機的利益を無理につくりださねばならない。
この「逆立ちした経済」にたよらなければ利潤機会が確保できないとすれば、サブプライムローンのような経済の不安定は一時的な現象ではなく、たえず繰り返される、しかももっと大規模に繰り返される、ということにもなりかねない。

金をつぎこんで不良債権を処理するばかりでなく、グローバルな金融市場によって経済を牽引するという今日の資本主義のありかたそのものを、問題としなければならない時期にきているのではなかろうか。(京大大学院教授)
【3月31日付高知新聞より引用/下線は引用者】


《写真は大岐の浜/岡田充弘さん撮影》

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