« 放射能対策の非科学性 | トップページ | ガラス固化試験中断 »

2007年12月28日 (金)

原子力を支える不正

槌田敦さんの名著『エネルギーと環境』(1992年)の6回目は、民衆を欺いた「平和のための原子力」の背景。こうして原子力が国策となったのです。

Sukumo■原子力を支える不正

・・・「平和のための原子力」というのは、1953年のアイゼンハウア大統領による国連演説のキャッチフレイズである。アメリカはそれまで大金を投入して原子力技術を作り上げ、これを軍事機密として独占しようとしていたから、全世界の政治家たちはこの気前のよい演説を大歓迎した。

しかし、このアイゼンハウアの演説には裏があった。当時、アメリカでは原爆をつくりすぎていてウラン濃縮工場を操業短縮するという軍事利用の危機に陥っていた。その事情はソ連も同じである。・・・

事実、1950年代に80%操業であったウラン濃縮工場は、70年には操業率36%と最低になった。これではアメリカの軍事力は低下する。操業短縮を続けると、必要が生じたときに操業再開がむずかしい。そこで、濃縮工場の生産はつづけ、余った濃縮ウランを原子力発電で消費することが検討されたのであった。これがアイゼンハウア大統領のいう「平和のための原子力」だった。

このようにして、原子力平和利用が普及し、それとともに濃縮工場の操業率は回復し、1980年にはこの軍事工場はフル稼働に戻った。つまり「平和利用」とは「軍事利用のための平和利用」だった。日本が原子力を導入することは、アメリカの軍事産業を育てることになっていたのである。
(第3章 もともと虚構の原子力発電 p169〜171)


《写真は宿毛/中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします。

|

« 放射能対策の非科学性 | トップページ | ガラス固化試験中断 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/172452/9613761

この記事へのトラックバック一覧です: 原子力を支える不正:

» <ふげん>コンクリート壁の強度不足は建設時の施工ミス [政治]
こういうことはよく有るのではないでしょうか。 <ふげん>コンクリート壁の強度不足は建設時の施工ミス 12月28日19時55分配信 毎日新聞  福井県敦賀市の新型転換炉「ふげん」(03年運転終了)の原子炉補助建屋で、抜き取り調査をしたコンクリート壁の強度が不足していた問題で、原因は建設時の施工ミスだったことが分かった。・・・ ... [続きを読む]

受信: 2007年12月29日 (土) 05時51分

« 放射能対策の非科学性 | トップページ | ガラス固化試験中断 »