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2007年10月 7日 (日)

新指針の審議をふり返る

神戸大学の石橋克彦さんの「原子力発電所の耐震設計審査指針改訂の諸問題」という短期集中連載(全3回)が、雑誌『科学』8月号から始まり、専門性の高い内容がわかりやすく丁寧に説明されています。ぜひ、図書館などで手にとってごらんください。

0724ashizuri第1回「指針改訂の審議をふり返る」

地震現象の基本
■「地震」というのは、地下の岩盤が破壊して地震波(岩石の震動が猛スピードで伝わる波)を放出する現象であり、地震波が到達して地面が揺れるのは「地震動」という。地震動が建築・土木・機械などの構造物を振動させると、構造物内に余計な変形(歪み)や力(応力)が発生し、それらが強度を超えると損傷につながる。・・・耐震設計の出発点は、地盤に予想される地震動(構造物への「入力地震動」)を適切に想定することである。原発は耐震性がとくに重要だから、指針改訂の核心的課題は地震動とそれをもたらす地震の適切な策定だった
■地震の規模(大きさ)をマグニチュード(M)で表すが、M7前後であれば、長さ30〜50km、深さ方向の幅10〜15kmほどの広大な破壊面が約10秒かかって生じ、両側の岩盤が平均1.5〜2mくらいズレ動く。この破壊面が地震の本体であり、「震源断層面」と呼ぶ。震源断層面の長さ・幅・ズレの量・破壊時間は、どれも、Mが2大きくなると約10倍という割合で増大する。・・・新指針が旧指針から大きく変わった点のひとつは、地震動評価のために(震源)断層モデルを用いた手法が重視されたことである。・・
■・・・ある原発サイト付近でどんな大地震を想定すべきかは、活断層や過去の記録だけで決めるのではなくて、それらの情報を含めてプレートテクトニクス【何億年も昔から現在までの地球表層の変動現象を、地球を薄く覆っている数十枚の岩石の板(プレート)の運動で統一的に説明する理論】の考え方で総合的な考察をすることが望ましい。・・
■・・・活断層が認められなくてもM7クラスの地震は起こりうるし、まして、長さが短くても活断層があれば、M7クラスの地震が起こると考えるべきである。これは、内陸地殻内地震を想定するうえで非常に重要なことなのだが、新指針ではあいまいにされた

Muroto1指針改訂の審議の経過
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/taisinbun.htm
■旧指針は、・・現代地震学の二大原理ー地震の活断層模型論とプレートテクトニクスーが確立する前の地震観に立脚しており、制定された1978年や1981年当時ですら古めかしいものだった。実に28年間にわたって、古色蒼然とした旧指針のもとで多数の原発の耐震設計がおこなわれていたことになる。
■原子力安全委員会は、・・兵庫県南部地震を踏まえても旧指針の妥当性が損なわれるものではないという結論を出している。その後、96年度から2000年度までの5年間にわたって、原子力施設の耐震安全性に関する調査等がおこなわれた。しかし、日本よりはるかに安全側に立った欧米の活断層対策などは指針改訂にまったく考慮されなかった
■・・今ふり返ってみると、結局は大きな既定路線が早くからあって、委員が自由に意見を述べたものの、最後はそこに落ち着いたという部分がかなりあったように思われる。しかも、多くの重要なテーマで、申請側の(社)日本電気協会の検討が分科会の議論に先行していた。その一例「震源を特定せず策定する地震動」・・私はこの考え方に最後まで反対したが、変わることはなかった。・・私以外のすべての委員が、結局のところ、既存原発が1基も不適格にならないような新指針を目指していたと思われる


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《写真上は足摺岬/写真下は室戸/いずれも中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします。

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