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2007年6月15日 (金)

国の義務に言及

中国残留孤児の人たちが国の対策が不十分なため厳しい生活を強いられていると訴えた裁判で、高知地方裁判所は、「時効」を理由に訴えを退けました。
しかし、国は孤児たちが早期に帰国するための義務を一部、果たしておらず、違法だと指摘しました。

Nemunokiこの裁判は、戦後、日本に帰国した高知県内の中国残留孤児の人たちなど、あわせて56人が、「国は、すみやかに帰国させる対策を取らず、帰国後も生活の支援を十分にしてこなかったため、厳しい生活を強いられている」として、国におよそ18億5000万円、一人当たり3300万円の損害賠償を求めたものです。
判決で、高知地方裁判所の新谷晋司裁判長は「帰国から3年以上がたっていることなどから、国に損害賠償を求める権利は時効によって失った」と述べ、訴えを退けました。
しかし、国の責任については「残留孤児たちに日本国籍があるか、国には調べる義務があったが、一時外国人として扱うなどその義務を怠ったうえ、帰国する旅費の提供についても一部、義務を果たしておらず、違法だ」と指摘しました。
さらに判決の言い渡しの後、裁判長は、「時効は法律上の問題で、道義的・政治的には別問題だ。時効は現在の法律ではいかんともしがたく、司法には限界があるが、社会保険庁の年金問題のように立法によって時効を撤廃することは可能だ。今後、和解など迅速に解決することを期待する」と意見を述べました。
中国残留孤児をめぐる裁判は、全国15か所で起こされ、去年12月の神戸地方裁判所が国に賠償を命じましたが、東京や、15日に判決が言い渡された札幌など他の6つの裁判所は、訴えを退けています。
国が義務を果たさず違法だと指摘した上で、時効を理由に訴えを退けたのは高知が初めてです。
国は残留孤児たちへの新たな支援策を近く発表する予定で、15日の判決が注目されていました。

判決を受けて、原告側弁護団の藤原充子団長は、記者会見をして、「国の責任を一部認めたという点で評価でき、神戸地裁につぐ画期的な判決だ。しかし、損害賠償の請求が時効で棄却されたのは理解できない。近く控訴するつもりだ」と話しました。
また、原告団代表の石川千代さんは「結果として棄却され残念でならない。もっとはっきりとした判決を出してほしかった。これから高裁でがんばって闘っていきたい」と話しました。

これに対し、厚生労働省は「これまでの主張が認められたとは考えているが、判決内容で一部、国の主張と異なる点もあるように見受けられ、内容を詳細に確認しているところだ。
なお、厚生労働省としては今後、中国残留孤児や女性たちが置かれている事情を考慮して安心して地域で暮らせるような支援策を検討していきたい」と話しています。

(NHK高知放送局6月15日高知のニュースより)
http://www.nhk.or.jp/kochi/lnews/03.html


《写真はネムノキ/げき撮影》

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