« 余呉町の応援団 | トップページ | 東洋町へ反対要請231件 »

2006年12月 7日 (木)

情報公開しなくなった国

放射能のごみ捨て場問題ばかりでなく各分野の政策について、議論を深めることもなく ろくに情報公開もせず、市民の意識が追いつかないまま拙速に進んでいくことに不安、憤り、危機感を抱きます。

教育基本法の改悪もそのひとつです。
教育基本法は、岩波書店の『教育刷新委員会・教育刷新審議会会議録』全13巻(1995年)にも明らかなように、市民として成熟した個人を育てることで二度と戦争に突き進むことのないようにと、真剣な議論をとおして練り上げられた、日本人として誇るべき文化遺産です。

今回は、人生の先輩であり、同志でもある、山本美佐子さんの論考をご紹介いたします。

Hamanoprokumo_4『教育基本法改悪に思う』

 安部内閣が最重要法案と位置づける教育基本法改正案は、衆議院で可決され、舞台は参議院に移った。
 今年の2月11日、野田正彰さんの教育基本法の講演をきいた。ほとんど身じろぎもできないほど密度の濃い内容だった。教育基本法は私たちの近代が犯した悲痛な過ちであった戦争への反省から、平和な国をつくる人間をどう教育するべきか、という視点で作られ、個人の確立を強調している。

 しかし教育基本法のある現在でも、基本法の理念とは全く別のことが行なわれている。国旗・国歌を強制し、従わない先生を処分して黙らせておいて、生徒に「生きる力」をつけさせろと言っても無理だろう。京都市の場合、関心・意欲・態度の評価は1科目で12項目もつけなければならず、次々と文部科学省から指令が降りてくる「教育改革」が現場を混乱させているときく。

 現行の教育基本法ができる過程は、岩波書店から『教育刷新委員会・教育刷新審議会会議録』全13巻として全発言が公開されている。膨大な資料であるが、関心のある人は読んでみるとよいと言われた。ところが今度の「与党・教育基本法改正に関する検討会」はマスコミに非公開で、議案書はすべて回収された。教育という国民的課題にかかわる重要法案を”密室”審議することは現行基本法を作る過程の全公開とは対照的である。

 現行の教育基本法を読んでみると、考えぬかれた文章で改正する必要はないと思う。それに、あの戦争中の教育を体験した私にとって、国を愛する態度を国に強制されるのはたまらない。教育基本法や憲法は、暴走しやすい国家権力を縛るものであって、個人を縛るものではないはずである。
 教育を人権としてとらえた現行法から、改正案は国民統制の手段へと変質させる法律になるのではないだろうか。


今年7月20日に高知市でご講演いただいた野田正彰さんの、11月11日の講演記録です。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200612040923571日刊ベリタ

教育現場の問題を、とりわけ、いじめと それに由来する自殺が増えたからといって、「愛国心」を謳うことが解決につながるのでしょうか。
いま問題の核心は、すべての国民の幸福の実現を視野におさめていない、文科省の安易な管理統制方式にあるのではないでしょうか。時代を逆行する「民衆の心の統制」は、まちがっていると思います。幼い心までがんじがらめに縛り上げようとする動きには、統治者の隠された危険な意図さえ感じてしまいます。

教育基本法案の徹底審議を求める署名ができます。
http://www.fleic.dyndns.org/cgi-bin/appeal1206.cgi署名書式

12月13日(水)午前10時、第1次集約だそうです。


《写真は大岐の浜/岡田充弘さん撮影》

|

« 余呉町の応援団 | トップページ | 東洋町へ反対要請231件 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/172452/4457006

この記事へのトラックバック一覧です: 情報公開しなくなった国:

« 余呉町の応援団 | トップページ | 東洋町へ反対要請231件 »