2008年5月12日 (月)

電力のゆくえ

朝日新聞/新潟の連載記事『電力の行方』、最終回は「地球温暖化対策」でした。
■連載「電力の行方 原発被災2度目の夏」(10)地球温暖化対策/5月8日付朝日新聞
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000805080004

Koutijoukouen6【以下抜粋引用】
■温暖化対策

 東京電力柏崎刈羽原発が中越沖地震に被災して停止した影響で、同社のCO2排出量は大幅に増えた。老朽化した火力発電所を再稼働させ、新たに購入した石油や天然ガスを燃やしたため、07年度の国内の温室効果ガスの総排出量を推定で2%程度も押し上げてしまったのだ。

 しかし、年次大会で原産協会長の今井敬(78)は、原発を安定的に動かすべきだという論陣を張った。「日本の原発設備利用率は06年度で70%、07年度は中越沖地震の影響で61%とさらに下がった。これが米国並みの90%になれば、06年度と比べても、発電電力量が約900億キロワット時増加する。これを火力発電で電力供給した場合と比べると、日本全体の5%のCO2を削減できる効果がある」

     ■      ■

 4月26日、東京都内の反原発団体は、柏崎刈羽原発の廃炉や、稼働中の原発の停止を求めて東京・渋谷をパレードした。グリーンピースジャパンの鈴木真奈美(50)は「温暖化対策を妨げているのは、むしろ原発だ」と訴えた。

 災害や事故で原発が動かなくなると、電力会社は火力発電を動かし、CO2排出量を激増させる。国が原子力行政を強力に推進することは、温暖化対策の主柱となるべき自然エネルギーの導入を妨げているのではないか――。

 原子力資料情報室は03年、「エネルギーシナリオ 2050」を作り、提言した。

 「私たちは普通の消費者であり、ほとんどの人はエネルギー関係の仕事をしているわけではない。でも電気を使ってお金を払うのは私たちだ。
本当なら、私たちが主体的に将来のエネルギー構造を考えてもいいのではないか」

 電力をどう確保するかという問いは、原発とどう向き合うかということを意味する。柏崎刈羽原発の再開のめどが立たない中、県内では今秋、知事選や柏崎市長選、刈羽村長選を迎える。
【引用終わり】


《写真は高知城公園/げき撮影》

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2008年5月11日 (日)

大間原発敷地内に私有地

本州最北端、青森県大間町に建設予定の大間原発用地は、買収を拒否した私有地が全体の3%強あるにもかかわらず、あの「核廃は120%安全」発言の甘利経産大臣が4月23日設置許可処分を出したのだそうです。
原子力という国策のまえには民意が反映されないのです。

ひきつづき原子力資料情報室通信407号(5月1日発行)から、連載「大間原子力発電所を問う」第1回の記事をご紹介しましょう。
■原子力資料情報室
http://cnic.jp/

Koutijoukouen42【以下抜粋引用】
■敷地中央に未買収地

 大間町は、対岸の北海道との間の津軽海峡を回遊するまぐろの一本釣りで有名な町です。

 大間原発の最大の問題は、敷地のほぼ中央に「未買収地」(買収除外地)が存在することです。全体で約132万平方メートルの建設予定地の1%強を占め、原子炉建屋予定地にかかるこの土地は、故熊谷あさ子さんの所有地です。

 「大間の自然はお金には換えられない」というあさ子さんの遺志をひきついで、いまは遺族が守っています。

 この熊谷さんの土地のほかにも、全体で約2%の未買収地が残っている状態で、大間原発を建設・運転する電源開発(当時特殊法人、2004年から株式会社)が1999年に原子炉設置許可を申請、国もそのまま受けとるという乱暴な方法で、大間原発は進められてきました

 このような土地の敷地境界で安全審査上問題ない被曝量となるカラクリは、今後の連載の中でとりあげます。・・・
【引用終わり/下線は引用者】


《写真は高知城公園/げき撮影》

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2008年5月10日 (土)

電力需要飽和時代の原発

きのうの昼下がり、「オール電化にしませんか」と勧誘の電話がかかってきました。「原発のアリバイづくりには、ご協力できません」と断ったが、オール電化の勧誘電話はこれで2度目です。電力需要を増やそうと、向こうも懸命ですね。これで温暖化防止など、できるわけがない・・

おととい届いた、原子力資料情報室通信407号(5月1日発行)には、「需要飽和時代の2008年度電力供給計画」という記事が掲載されています。
■原子力資料情報室
http://cnic.jp/

Koutijoukouen3【以下抜粋引用】
東電・関電で需要が飽和

 関東・関西の2大都市圏をかかえる東京電力、関西電力で、電力需要の伸びが見込めなくなっている。資源エネ庁2008年度電力供給計画から、そのことがはっきりわかる。

 東京電力は2015年度の年間最大電力を、2006年度電力供給計画で6471万kW、2007年度計画で6234万kW、2008年度計画では6119万kWと漸減してきた。関西電力も、2015年度の年間最大電力の見込みは3106万kW、3086万kW、3051万kWと縮小した。

 2007年度1年分の需要電力量(kWh)は電力各社とも過去最大となった。が、夏の記録的酷暑にもかかわらず、最大電力(kW)は、東電で5年前の、関電で6年前の記録を更新することはなかった。電力各社合計もまた、最大電力は6年前の記録を更新しなかった。

■原発は8基が計画先送り

 発電所建設の前提となる最大電力の伸びが見込めない以上、原発の新設計画は遅らせたいのが電力会社の本音だ。

 需要の伸び(?)に比べ、原発の出力が大きすぎるのは明らかだろう。小回りがきかず、100%で動かすか停止するのかどちらかという原発は、いかにやっかいなことか。

 そこで、建設中の2基(泊3号/北海道電力、島根3号/中国電力)を除く11基の原発新設計画のうち8基でまた、1年先送りとなった

 大間原発(電源開発)の着工は、前年度1年遅れに続き9ヶ月遅れである。電源開発(通称Jパワー)にとって初の原発であり、世界初のフルMOX・ABWRであれば、いずれ先延ばしは必至である。

 敦賀3、4号(日本原子力発電)は、前年度同様の先延ばしで2010年着工予定。

 政府の地球温暖化対策は、この13基の原発新設すべてを織り込んでおり、お粗末きわまりない。
【引用終わり/下線は引用者】


《写真は高知城公園/げき撮影》

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2008年5月 9日 (金)

宿毛港にまたイージス艦

イスラエルは5月8日、1948年の建国宣言60周年を迎えたが、建国をいち早く支持したばかりか60年間最大限の援助を惜しまなかったのが米国です。一方、パレスチナ人らはアラビア語で「大惨事」を意味する「ナクバ(Nakba)」と呼び、5月15日に開催する「ナクバ」60周年に向けた準備が進められています。
■イスラエル建国60周年の影にパレスチナの悲劇/5月8日AFPBB
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2378260/2829804
■パレスチナ1948-NAKBA-
http://nakba.jp/

2006年5月のイージス駆逐艦「ラッセル」につづき、また、高知県西部/宿毛湾へイージス艦が入港するという情報が届きました。同港への米海軍艦艇の入港は、これで2度目です。
米軍再編の動きにともない、米軍は日本列島を不沈空母にすべく軍港を増やそうとしているのでしょう。そんな米軍に最大限の思いやり予算を献上しているのがこの国です。
前回のように、嬉しがってはしゃぐ日本人を見たくないなあ・・・

Taisanboku1【以下転載】
■米イージス駆逐艦「オカーン」の宿毛湾入港についての情報

5月21日入港、26日出港の予定で、米海軍駆逐艦「オカーン」(USS O'Kane, DDG-77)が宿毛湾に入港する予定です。
5月1日に高知県に連絡があり、港湾管理者は宿毛市であることから、県としては必要な書類を準備して宿毛市に提供する段階とのことです。
宿毛湾への米海軍艦艇の入港は、2006年5月のイージス駆逐艦「ラッセル」につづいて2度目。

米海軍駆逐艦「オカーン」(USS O'Kane, DDG-77)のデータ。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で、「ラッセル」と基本形は同じだが、タイプ㈼に属する。1999年10月に竣工。母港はハワイ真珠湾。

■主要装備
全長:154メートル(505.25フィート)
幅:20.4メートル(67フィート)
高さ:9.3メートル(30.5フィート)
重量:8300トン
速度:30ノット
乗組員:幹部23名、下士官兵291名、チーフぺティ24名
航空機:ランプ着陸デッキ装備/ASWヘリ
武装:2つのミサイルランチャー×2(MK41VLS標準ミサイル、トマホーク・ハプーン発射可能)
MK45(5インチ)軽量銃×1
ファランクスCIWS×2

■戦歴
2001年7月から2002年1月19日まで、空母「カールビンソン」の戦闘グループに属し、「不朽の自由」作戦を支援。
2002年6月−7月にリムパックに参加。
2003年、ウエストパックに参加。
2003年1月−2005年7月、空母「カールビンソン」の戦闘グループに属し、「イラクの自由」作戦を支援。
2006年6月−7月、リムパックに参加。
【転載終わり】


《写真は泰山木/げき撮影》

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2008年5月 8日 (木)

伊方老朽原発の休止を

愛媛県伊方原発1号基は、1977年9月30日に運転開始、当初の耐用年数30年を超えてしまった老朽原発です。
その伊方原発1号基のあいつぐ不備について、愛媛県議が愛媛県に申し入れをしました。
■伊方原発:佐々木県議、加熱器溶接割れで申し入れ/毎日愛媛5月2日
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20080502ddlk38040466000c.html
■伊方原発:1号機蒸気噴出口3個に、割れ新たに5カ所 /毎日愛媛5月8日
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20080508ddlk38040665000c.html

Tokeisou2【以下転載】
■伊方原発:佐々木県議、加熱器溶接割れで申し入れ/5月2日毎日愛媛

 四国電力伊方原発1号機(伊方町、加圧水型軽水炉、出力56万6000キロワット)で発生した湿分分離加熱器の溶接割れについて、佐々木泉県議(共産)は1日、県に書面で「伊方原発の加熱器異常についての申し入れ」を行った。

 申入書は、05~06年に伊方1、2号機の同加熱器が神戸製鋼製に変更されて以来、溶接割れが4回相次いだことを重視し「原因徹底糾明と再発防止を誓ったのは何だったのか」と指摘。対策を四電任せにしてきたとして、県の積極的関与と原発に批判的な研究者を加えた県独自の調査体制づくり同原発のプルサーマルと寿命延長を中止し安全運転対策や震災対策を県民に公開すること--を求めている。

■伊方原発:1号機蒸気噴出口3個に、割れ新たに5カ所 /毎日愛媛5月8日

 定期検査中の四国電力伊方原発1号機(伊方町、加圧水型軽水炉、出力56万6000キロワット)湿分分離加熱器の蒸気噴出口溶接部に割れが見つかった問題で、県は7日、その後の同社の調べで新たに3個の蒸気噴出口に計5カ所の割れが見つかったと発表した。

 1号機には湿分分離加熱器がAからDまで4台あり、それぞれ内部の天板(上下仕切り)に20個の蒸気噴出口がある。これまでに割れが見つかった加熱器Aで、今回新たに別の噴出口1個に2カ所の割れが見つかり、加熱器Bの噴出口1個に2カ所、加熱器Cの噴出口1個に1カ所の計5カ所で14センチから5ミリ大の割れが見つかった。

 同社は計3個の噴出口をメーカーに送って詳細に調べるとともに、引き続き各加熱器の溶接部総点検を続ける。
【転載終わり/下線は転載者】


《写真は時計草/げき撮影》

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2008年5月 7日 (水)

出稼ぎ労働者の人権裁判『わが道』上映迫る

きたる5月11日(日)、出稼ぎ労働者の人権裁判を再現した、新藤兼人監督『わが道』が上映されます。
小夏の映画会主催。16:10、18:30の2回、高知市の平和資料館/草の家にて、入場フリー、カンパ歓迎だそうです。
■映画『わが道』
http://www.nihon-eiga.com/prog/000482_000.html
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28562/comment.html

現代も続く出稼ぎ労働は、いのちを使い捨てるかのような原発下請け労働に象徴されています。

Ajisai3【以下転載】
■映画『わが道』1974年
行き倒れになった青森出身の出稼ぎ労働者が、身元不明人として処理され、医大で勝手に人体実験が行われる。人権無視の現実をドキュメンタリー・タッチで描く社会派ドラマ

国民の権利を保障する憲法が、それを最も尊重し、擁護する義務を有する政府及び公務員によって無視された実態を、一出稼ぎ労働者の妻が告発した、いわゆる出稼ぎ憲法裁判であった。法廷で裁判が進むにつれ、関係諸官庁の不誠意は次々と明るみに出された。やがてミノの闘争は、全国二百万人の出稼ぎ労働者と、その家族の生命と人権を守るための闘争へと拡大していった。「河村ミノさんを守る会」の支援も大きな力になった。昭和46年12月13日、裁判は勝利した。ミノの執念が、国を相手どって勝ったのだ。
【転載終わり/下線は転載者】


《写真は紫陽花/げき撮影》

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2008年5月 6日 (火)

原子力政策は憲法と相容れない

憲法は、国家権力を縛ることが存在理由のはずです。
(第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。)

5月3日の憲法記念日、東京の2つの憲法集会(日比谷、教育会館)で、たんぽぽ舎は「原子力政策は憲法と相容れない」のちらしを2,500枚配布したそうです。
■たんぽぽ舎
http://www.tanpoposya.net/

Sendan3_2【以下転載】
■原子力政策は憲法と相容れない/5/3憲法記念日によせて

 2007年7月、マグニチュード6.8の地震が世界最大の東京電力柏崎刈羽原発を襲った。
 幸い、大規模放射能放出事故には至らなかったが、原発にとり最も重要な「(核分裂反応を)止める」「(核燃料を)冷やす」「(放射能を)閉じ込める」機能に、重大な損傷を受けた
 また、M6.8の地震では本来あってはならないはずの「想定最大の揺れ」をも超える揺れにも襲われていた
 ひと言で言えば、設置許可申請時の想定が全てデタラメであったのだ。
 あってはならない事態を起こしたにもかかわらず、原発は依然として廃炉になっていない。そのうえ、このようなデタラメ想定は柏崎刈羽原発に限ったことでもなかった。
 今現在、原発の何倍もの使用済燃料を貯蔵し、それを切り刻む「再処理」を行っている六ヶ所再処理工場は、その敷地に断層をかかえ沖合には大きな地震を起こすプレート境界と、海底活断層が控えている。いずれも、何時大地震を起こしても不思議ではない

■「国策」の前に全て偽装された

 昨今、「●●偽装」が一種の流行りのごとく報道されているが、なぜかこの「原子力(核)耐震偽装」だけはほとんど取り上げられることはない
 しかしこれほど恐ろしい偽装が他にあろうか。
 原子力施設の設置に伴う地盤、地質、地震想定については、過去に多くの人々が異議を唱えてきた。しかし「国策」の前に、それらの声は無視された。
今頃になって「新しい発見」でもあるかのごとく、活断層の評価が変えられているが、建設当時に正当な評価がされていたならば、そこには原子力施設など作ることは出来なかったであろう。
 消されたり値切られた断層、起こらないことにされた地震、軟弱な地盤なのに「強固な岩盤」挙げ句の果ては「人工岩盤」つまり自然の岩盤が悪すぎるから岩盤そのものを作り直したのだ。
 繰り返されてきた偽装は、残念ながら本物の地震により脆くも崩れた。幸い大量放射能放出には至らなかったが、そうなっていてもおかしくなかった。

■憲法の危機

 大量の放射能が降り注ぐ中で、基本的人権をどうやって守ればよいのだろう
 いや、そのような事態を引き起こしてしまったならば、その過程で私たちは憲法の求める「不断の努力」を怠った結果として、責任を問われるのである。
(第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない
 現在、日本中で55基の原発と、原発よりも破壊力の大きな「もんじゅ」といくつかの研究炉そして原発からの使用済燃料を集めて再処理を行っている六ヶ所と東海再処理工場などの原子力施設は、たとえば地震により破壊される危険性が高まっている今、運転停止、廃炉への「不断の努力」を怠ることはできない。原発を廃止へ!
【転載終わり/下線は転載者】


《写真は栴檀の花/げき撮影》

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2008年5月 5日 (月)

転写される水の力

『アレクセイと泉』に描かれた世界と、現代のこの国の私たち暮らしぶりとでは、まったく違うと感じます。
人間は、あんなにも力強く、しなやかで、こころやさしく関わり合っていたのですね。この国の社会状況がいかに殺伐としているか、いかにたいせつなことを見失って生きているか、感じます。

Shimanto6【以下引用】
■転写される水の力

ベラルーシ共和国のちいさな村。

村の老人たちは、およそ生活するために必要なすべてのものを自分たちで作る。篭を編む、毛糸を紡ぐ、機を織る。農作業も、泉の修復工事も、何もかも自分たちでおこなう。その彼らの暮らしには「遊び」と「仕事」の区別はない。全部ひっくるめて「暮らし」なのだった。

いまも彼らはベラルーシ共和国の放射能の残るブジシチェ村において、静謐に水を湛える泉とともに暮らしているのだ。たとえようもなく質素に美しく、それにひきかえ、私のザマは何だ。正直に言って、落ち込んだ。偉そうに生活者面して生きているが、実際には何ひとつ生きていくために必要なことができないじゃないか・・と。

それでも、私は絶望していなかった。何の根拠もなく、ふつふつと自分のなかに生きる力を感じていた。

私のなかに「泉」が転写されてしまったのだ。映画を観終わったとき、すでに、私のなかにあの小さな村の「泉」が存在していた。水の力は、どんなハードディスクにもインストールできるアプリケーションのようなものだ。

汚染されることなく湧き続ける水のエナジーは、時空を越え、画面を越えて、観る者のなかに転写される。そして動きだす。
【『アレクセイと泉』パンフレットから抜粋引用】


《写真は四万十川/中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします。

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2008年5月 4日 (日)

いのちの水

『アレクセイと泉』で記録されたブジシチェ村に湧きでる泉は、不思議です。水の星/地球を循環する水に思いをはせると、人間の存在のちっぽけさを感じます。

Shimanto2【以下引用】
■いのちの水の泉へ

この映画のブジシチェ村に湧きでる泉の水は、いつ地表に降りそそいだ雨や雪なのだろう。

16、17世紀までは、とくにヨーロッパでは、泉は地下の奥深くにひそむ、巨大な貯水池から湧出されると信じられていた。地学の参考書によると、いまでは「降水起源説」が定説になっている。

雨や雪が地表から地下に浸水し、ふたたび地表へ湧きでるその周期は地形や地質によって異なるけれど、100年から1000年単位の幅があると言われる。

原発事故で汚染されたブジシチェ村ーそのなかで唯一、清らかな水が湧き続ける泉も、100年後には、おそらく放射能が検出されるだろう人間が狂わせた循環
【『アレクセイと泉』パンフレットから抜粋引用/下線は引用者】


《写真は四万十川/中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします

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2008年5月 3日 (土)

汚染の大地と汚れなき泉

『アレクセイと泉』は、もっともっと大勢のみなさんと共有したい、素敵な映画でした。美しい映像とブジシチェ村の人びとの暮らしぶりを反芻しています。
しかし、思わず微笑んでしまうような心ゆたかな暮らしぶりを続ける人びとのうえに、チェルノブイリ原発から拡散した放射性物質が容赦なく降下していた・・・

Shimanto3【以下引用】
■汚染の大地と汚れなき泉/プロデューサー

ベラルーシの東端に位置し、コヴピタ川の向こうはロシア連邦になる国境にブジシチェ村はある。ここから180キロ離れたウクライナ共和国チェルノブイリ原子力発電所が大爆発事故を起こしたのは、1986年4月26日未明のことだった。折からの南風に乗って、拡散した放射性物質の70%がベラルーシに降下した。国土の30%が半永久的に汚染の大地と化し約170万人がそこに住み続けている

95年の秋、ゴメリ州チェチェルスク保健局の放射能測定士タチアーナ・ブジリーナさんが「チェルノブイリと同じくらい汚染された森がある」と案内してくれたのが、ブジシチェ村だった。・・広葉樹と針葉樹がほどよく混ざりあい、木立から射し込む陽の陰影が清々しい、美しい森。放射能は、この木々の間に浮遊している。1平方キロ当たり60キューリー、100キューリー・・・。事故直後40キューリー以上が強制移住地域だったことからすれば、汚染度の高さが再認識される。

・・・村の真ん中に泉が湧いていた。村人たちは、飲み水に、家畜や裏庭の野菜のためにこの水を使っている。不思議なことだった。森やとりこわされた学校の跡地は、まだ放射能汚染がひどいというのに、この泉の水はきれいだった。チェチェルスク保健局で測定したら「ゼロ」。放射能は検出されなかった。・・・
【『アレクセイと泉』パンフレットから抜粋引用/下線は引用者】


《写真は四万十川/中島健蔵さん撮影》
写真は【禁転載】でお願いいたします。

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